
シーリング防水
目地とは
ビルや住宅には「目地」があります。
建物の外壁は部材が縦横に少し隙間を空けて取り付けられています。
この隙間を「目地」といいます。
目地の重要性
部材が熱によって伸び縮みしたり、地震や強風によって位置がずれたときに、部材同士が相互にぶつかり合うのを防ぐために重要な役割を担います。
シーリングとは
隙間が空いたままでは、水や空気が出入りしてしまいます。
何か詰め物をして、水や空気の室内への侵入を防止する必要があります。
これが、「シーリング防水」であり、詰め物は「シーリング材」と呼ばれます。
シーリング施工手順

01-
施工前の確認および目地検査
(被着面の確認)
・施工箇所の目地の形状・寸法や段差、被着体の材質の確認をします。
02-
被着面の清掃
・被着面に適する清掃方法であることを確認します。
・さび、油分、ほこり、モルタルくず、塗料など接着を阻害するものを適切な工具、溶剤を含んだウエスなどを
用いて除去します。
・降雨後などは、水分が付着した被着面を乾燥させます。


03-
バックアップ材またはボンドブレーカーの装填
2面接着を確保するために、バックアップ材やボンドブレーカーは、シーリング材と接着しないものを選定します。
・目地深さが指定寸法になるように治具などを用いて装填します。
・使用部位とバックアップ材の材質・形状から目地寸法に合わせた適切なサイズを装填します。
04-
マスキングテープ張り
・目地周辺の汚れ付着防止や目地の線をきれいに仕上げるためにマスキングテープを張ります。
・シールの仕上げに応じて、マスキングテープを張る位置を確認します。
・マスキングテープの除去時に粘着剤が被着体に残らないものを選定します。
・マスキングテープの粘着剤やテープ表面の離型剤が清掃溶剤やプライマーの溶剤により接着面に溶出して、シーリング材の接着性に悪影響を及ぼすことがありますので注意が必要です。


05-
プライマーの塗布
・被着体に適したプライマーの種類(品番)を選定します。
・目地に適した大きさの刷毛を使用し、塗りむら、塗り残しのないように均一に塗布します。
・プライマー塗布後のオープンタイム(乾燥時間)が経過してからシーリング材を打設します。
・プライマーの容器は、使用時以外はふたを閉じておき、溶剤の揮発、水や異物の混入を防止し、火気に十分注意して保管します。
06-
シーリング材の練混ぜ(その1)
・シーリング材の基剤缶に、硬化剤とカラーマスター(トナー)を全量、絞り出します。
・材料容器(缶)を混練機にしっかりと固定し、シーリング材メーカーの指定混練時間(一般的に10~15分程度)で攪拌します。


08-
施工ガンの充填
・吸い込み式ガンにシーリング材を充填します。
・吸い込み時にシーリング材中に気泡が入らないようにするために、シリンダーの先端部をシーリング材に密着させ、吸い上げてガンに充填していきます。
09-
シーリング材の充填
・目地の交差部から充填を開始し、打止めは交差部を避けます。
・被着面に十分な圧がかかるよう、また、目地底までしっかり充填できるように、ノズルの角度と充填速度を調整しながら充填します。


10-
へら仕上げ
・へら仕上げは、充填後、シーリング材の可使時間内に行います。
・仕上げ治具は、目地寸法や目地の形状に合わせて作製します。
・確実な接着性を得るために、へら押えを十分に行い、平滑に仕上げます。
11-
マスキングテープの除去
・シーリング材の硬化が進んでからマスキングテープを除去すると目地際が汚くなるので、仕上げ後、直ちに除去します。(特に、1成分形シリコーンは皮張り(タックフリー)が早いので注意が必要です)
・目地周辺を汚さないように注意して除去します。


12-
養生・検査
・人が触れやすい場所やホコリの多い場所では、合板やビニールシートなど 適切な材料で養生しておきます。